オペラ・オペレッタ訳詞家の書斎

三浦真弓のオペラ・データベース & ブログ

ラロ《イースの王》:あらすじ

Catalog Record: The king of Ys : a legend of Brittany : opera... | Hathi Trust Digital Library(英語)

あらすじ

エドゥアルド・ラロの陰鬱な悲劇《イースの王》は、ブルターニュの伝説に基づいている。第一幕、イースの町は喜びに湧いている。王の美しい娘マルガレードが敵方のカルナック王子と婚約することになり、王女との結婚の約束という贈り物は、敵を友とし、イースの地に平和をもたらすはずだった。しかし、マルガレードの妹ロゼーンは、姉が悲しげで憂鬱そうなのに気づく。マルガレードはひそかにミリオを愛しており——彼は遠方へ船出し、死んだものと思われていた——ロゼーンと同じくらいその愛を自覚していたのだ。侍女たちがマルガレードをカルナックの待つ婚礼の祭壇へ連れて行くと、そこにミリオが旅から戻り、愛するロゼーンに正体を明かして、ロゼーンは彼の花嫁になることを誓う。しかし、ロゼーンがマルガレードにミリオの帰還と彼との婚約を知らせると、マルガレードは不幸な激情に駆られ、父王の懇願にもかかわらず人々の前でカルナックとの結婚を拒否してしまう。侮辱されたカルナック王子は、王の足元に手袋を投げて勝負を迫る。ミリオがそれを拾い上げ、我こそはイースの戦士だと宣言する。

第二幕、王はミリオを戦場に送る。ロゼーンはミリオを「夫」と呼びながら彼と別れる。マルガレードの拒まれた愛は今や激しい憎悪に変わり、彼女は復讐を計画する。ロゼーンは、ミリオに対する姉の絶望的な愛を知って、なんとか彼女の決意を翻させようとする。しかしマルガレードの心は変わらない。ミリオと彼の軍隊は勝利を収め、敗れたカルナックは兵士を失い、逃げ込んできた聖コランタンの聖堂で、マルガレードに出くわす。彼女は復讐計画を実行するため、(聖人が墓から出現して警告を与えたのだが)カルナックと共謀して、海から町を守っている水門を上げることに同意する。そうなったら町はミリオもろとも波に覆い尽くされてしまうのだ。

第三幕の最初の場面は、ロゼーンとミリオの結婚式である。教会へ向かうミリオがマルガレードの前を通るとき、マルガレードは愛と善の本能につき動かされて彼の名前を呼ぶ。しかしその声はミリオの耳には届かず、にわかに現れたカルナックが、彼女の決意を固めさせる。二人は計画を実行しに行く。結婚したロゼーンとミリオが戻ってきて幸せを喜ぶが、マルガレードの姿が見えず王は悲しむ。この時マルガレードが現れて、自責の念とともに水門が開いたことを認め、命を助けるために彼らを逃げさせる。最終場面、王とマルガレードとロゼーンとイースの生き残りの人々が丘の上に集まり、迫り来る洪水を見つめている。マルガレードは、人々の呪いの言葉のただ中で、良心の呵責から、高まる波に身を投げる。イースの守護聖人コランタンはマルガレードの犠牲を受け入れ、海水は引いていく。

(翻訳:三浦真弓)